開催概要

日程:2021年12月17日(金)14時00分~18時15分

会場:日本橋三井ホール(〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1 4F・5F)及びオンライン

アクセス:

プログラム

時間(日本時間) 内容
13:30 一般受付開始、開場
14:00 開会
14:00-14:25 主催者挨拶 、各賞、審査プロセスの紹介
14:25-14:35 ① 人工衛星と放置艇リユースを活用した移動式養殖漁業 ~ B.R.A.S.A.S. (ブラサス) ~ 【プレゼン動画】
チーム名:BRASAS 代表者名:柴田 祐也
放置艇は、水質汚染や災害の2次災害を引き起こす海洋ゴミとして世界中に存在しています。私たちはその放置艇をリユースし、養殖漁業を支援します。
地方自治体から引き取った放置艇に、衛星データを活用した後付け自動航行モジュールと海洋センシング機能を搭載することで、養殖に必要なデータを取得したり、海上作業を助けたりする自動航行船に生まれ変わらせます。放置艇問題を解決しつつ養殖漁業を改革します。
14:35-14:45 ② ハイブリッドキックモータによる小型宇宙機の可動性の向上 【プレゼン動画】
チーム名:Letara 代表者名:ケンプス ランドン
小型衛星は一般的にライドシェアにより宇宙へ打ち上げられるが、安全で高速な推進系がないため、ライドシェア軌道から移動できず、軌道上を無秩序に周回する。私たちは小型衛星に軌道変換の自由を与える安全で高速な推進系を提供する。これからの宇宙輸送では、主要な宇宙輸送ハブ(地球、月、火星等)間の宇宙輸送網の構築が予想される。宇宙ハブ間のラストマイル輸送用推進系として、私たちの推進系は益々重要になる。
14:45-14:55 ③ Lunar Night Survival as a Service 【プレゼン動画】
チーム名:Moonlode 代表者名:Dr. Andrew Barton
今日では世界中で30以上の組織が、今後1~5年での商業月着陸船への搭載を目指して月面用装置を開発している。一部の組織はそのミッションに5千万ドル以上 を費やす計画をしているが、月で(太陽光が当たらない)夜間のサバイバル機能が無ければ、月面での活動は2週間未満に限定される。
Moonlodeのサバイバル製品群は、月の夜間をサバイバルするための装置をサポートする小型で統合型、かつモジュラー型のソリューションを可能にする。そのソリューションはモジュラー型で宇宙仕様となるだろう。当該サバイバル製品群ならびに関連する製品カスタマイゼーションとコンサルティングは、月着陸船搭載用装置の初期市場においてだけでも今後10年間で3千万米国ドルの収益を生む可能性を秘める。
この初期市場から、Moonlodeは月面インフラのより大きな市場へと事業を拡大する予定だ。
14:55-15:05 ④ 海洋資源探査を効率化するための海洋観測システムの開発 【プレゼン動画】
チーム名:MizLinx 代表者名:野城 菜帆
海洋資源探査を効率化する海洋観測システムを開発する。海洋資源は大きく魚介類等の水産資源と、レアメタル等の海底資源に分けられるが、まず水産資源の課題解決をはかるシステムを開発し、漁業/養殖業の効率的な操業を可能にすることで持続可能な水産業を実現する。将来的には海底資源探査や、船舶の自動運航等、あらゆる海事産業で役立てられるような、海洋データプラットフォームサービスを作ることが目標である。
15:05-15:15 休憩
15:15-15:25 ⑤ 宇宙空間における静電気検知サービス ~静電気事故の無い世界へ。光差す道となれ~ 【プレゼン動画】
チーム名:Nano Q 代表者名:太田 雄士
人工衛星の静電破壊を防ぐことは、中軌道帯への進出や大量の人工衛星の運用に不可欠である。我々は、半世紀に及ぶ宇宙開発において、予見不能な事故原因として問題となってきた静電気を検知するサービスを提案する。シリコン光技術を用いれば、宇宙空間でも安全に使用できる静電気検知センサが開発可能である。静電気対策に頭を悩ます宇宙産業に、静電気検知モジュール販売を行う。宇宙分野で事業を開始し、地上分野にも展開する。
15:25-15:35 ⑥ Suijin - Water Quality Measurement from Space 【プレゼン動画】
チーム名:Oceo Water Private Limited 代表者名:Mr. Vikram Gulecha
Suijinは湖や池など開放水域向けの水質遠隔モニタリングのための、人工衛星を利用した水文解析を提供する。湖の水質分析に使用されている従来型の費用と時間がかかるサンプル採取とIoTを利用した点測定方式とは異なり、当社のサービスは現地に行くことなく極めて正確に、湖の生産性を検知、予知および予測することを可能にする。
15:35-15:45 ⑦ EcoSpace : IOT Satellite the Wildfire Early Warning Detection Systems 【プレゼン動画】
チーム名:EcoSpace 代表者名:Ms. Kanchanit Thumrongboonkate
EcoSpaceは森林などインターネットが繋がらない場所において、IOT人工衛星通信を活用した野火早期警報発見システムを提供する。地上のセンサーとIOT人工衛星を組み合わせることで、野火の初期段階での監視を可能にする。EcoSpaceのプロトタイプは2020年10月から2021年3月にかけて、東京大学のIOT人工衛星を使ったテストに成功した。
15:45-15:55 ⑧ ChipSpace 【プレゼン動画】
チーム名:ChipSpace 代表者名:Ms. Victoria Alonsoperez
ChipSpaceはチップセイファーの地上センサーから得たデータと、購入したアクセルスペース人工衛星の画像を関連付けるプラットフォーム。土地や水といった畜産農家が持つリソースをさらに有効活用することで収穫を増やすことを助け、また同時に環境再生型農業への貢献も果たす。より正確には、このチップセイファーと人工衛星から得た統合的データは、牧草の質低下の早期検知、農場レベルでの管理体制の改善、そしてより良い牧草管理のためローテーションする放牧地のタイムリーな選定実現といった点において農家をサポートする。後々このデータは、放牧地を決定することや、農場が二酸化炭素などを排出あるいは隔離しているのかを評価することにも追加的に利用可能だ。
15:55-16:05 休憩
16:05-16:15 ⑨ ISSでの修理サービスを目指した軌道間搬送サービスの提供 
チーム名:MiNi-D 代表者名:川崎 謙
地球近傍の軌道間(低軌道〜静⽌軌道)において、搬送機を⽤いて人工衛星の搬送サービスを提供する。また同じ搬送機にて、人工衛星をISSまで搬送し、修理サービスを提供する。まずは搬送サービスの提供から始め、修理サービスは将来の実現を目指すものとする。
16:15-16:25 ⑩ 物体を更新可能にする編み物方式3Dプリンタ「ソリッド編み機」 【プレゼン動画】
チーム名:Solidknit  代表者名:廣瀬 悠一
編み物を用いた3Dプリンタ「ソリッド編み機」を開発し、宇宙現地での物品の製造・リサイクルを可能にする。ソリッド編みとは、編み物で中身の詰まったかたいものをつくることができるSolidknit独自の技術である。編み物を用いることで、椅子をほどいて机に編み直すといった「物体のアップデート」が可能になる。宇宙空間への物品運搬は莫大なコストがかかるため、この高リサイクル性は大きなメリットとなる。
16:25-16:35 ⑪ Energy Orbit 【プレゼン動画】
チーム名:Entropy Research & Development 代表者名:Mr. Shubham Gosavi
発電と電源管理は人工衛星の業界では大きな役割を果たす。地球低軌道において毎年増え続ける人工衛星は、継続的な電力への需要を劇的に高めるであろう。現在、人工衛星は発電について、ソーラーパネルと放射性同位体熱電気転換器(RTG)および蓄電装置を使用する従来型の手法を採用している。そのようなシステムは重量や費用を増やし、貴重なスペースを奪う。このような問題はEnergy Orbit(E-orbit)を導入することで15~25%軽減できる。これは1600 Energy Satellite(E-Sat)を用いて、地球低軌道を周回する顧客の人工衛星にレーザー送電するというコンセプトだ。E-Satはまた、エネルギー伝達や軌道移行、そして地球低軌道を周回する人工衛星を軌道離脱させるなど、複数のサービスを提供する予定だ。つまり、E-Orbitのサービスを利用することで顧客は多くの資金を節約できる上、宇宙の持続可能性を持った新しい経済的価値を創出できるであろう。
16:35-16:45 ⑫ スタートラッカを用いた宇宙状況監視による衛星衝突回避SaaS 【プレゼン動画】
チーム名:スターシグナル・ソリューションズ 代表者名:岩城 陽大
宇宙空間の状況が不明確であることから宇宙の交通事故防止に過大な負担を被る国や民間事業者向け人工衛星運用ソフトウェアアズアサービス。衛星搭載のスタートラッカを宇宙環境観測に活用し、高精度・広範囲な宇宙状況監視を極めて低コストで実現する。この観測データを用いた適切で正確なナビゲーション情報の提供によって、不定期・非効率なリスク対応活動である衛星の衝突回避運用を合理化し、顧客衛星と宇宙環境を保護する。
16:45-16:55 休憩
16:55-17:40

スペシャルトークショー

S-Booster2021最終選抜会トークセッション
テーマ「S-Boosterと宇宙ビジネスの進化 」

  1. 過去受賞者VTR出演
    千野歩氏 / 株式会社Ashirase(2019年 最優秀賞受賞)
    Tushar Jadhav⽒ / Manastu Space(2019年 審査員特別賞受賞)
    西田宏平氏 / 株式会社TOWING(2019年 スカパーJSAT賞受賞)
  2. パネルディスカッション(会場登壇)
    ○パネリスト
    ⻘⽊ 英剛⽒ / 宇宙エバンジェリスト
    尾﨑 典明⽒ / 一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ
    松本 紋⼦⽒ / ANAホールディングス株式会社(2017年 大賞受賞)
    ○モデレーター
    畑⽥ 康⼆郎⽒ / 一般社団法人SPACETIDE
17:40-17:45 休憩
17:45-18:12 審査結果発表、授与式
 ① 特別審査員長講評
 ② スポンサー賞(各1作品、5賞)
 ③ JAXA賞(1作品) 
 ④ アジア・オセアニア賞(1作品)
 ⑤ 審査員特別賞(1作品) 
 ⑥ 最優秀賞(1作品)
18:12-18:15 総評、閉会挨拶
18:15 閉会

展示

ホワイエにてスポンサー企業による展示が行われました。

<出展社(社名五十音順)>

株式会社NTTドコモ、スカパーJSAT株式会社、ソニーグループ株式会社、第一生命保険株式会社、株式会社本田技術研究所

審査員紹介


特別審査員長
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
特別招聘教授
夏野 剛

特別審査員長代理
東京大学 空間情報科学研究センター 教授
柴崎 亮介

特別審査員
WiL 共同創業者CEO
伊佐山 元

特別審査員
宇宙飛行士
山崎 直子

特別審査員
ワングローバルベンチャー チェアマン
ローラ・アンダーソン
(オーストラリア)

特別審査員
イーラコンサルティング マネージングダイレクター
バラッド・クリシュ
(インド)

特別審査員
タイ地理情報・宇宙技術開発機関 (GISTDA) 副長官
ダムロングリッド・ニアマド
(タイ)

特別審査員
レオニー・ヒル・キャピタル
ヘッドインベストメンツテクノロジー
メディア&テレコムセクター
ウィー・メン・スー
(シンガポール)

各スポンサー企業及びJAXA

※特別審査員長 夏野 剛様と特別審査員 伊佐山 元様は、急なご都合により欠席となりました。

受賞結果

S-Booster 2021 受賞アイデア決定!

12月17日(金)に開催したS-Booster 2021最終選抜会において、厳正なる審査の結果、下記の通り受賞アイデアが決定いたしました。

賞名 アイデア名/チーム名
最優秀賞 「EcoSpace : IOT Satellite the Wildfire Early Warning Detection Systems」 【プレゼン動画】
EcoSpace
審査員特別賞 「スタートラッカを用いた宇宙状況監視による衛星衝突回避SaaS」 【プレゼン動画】
スターシグナル・ソリューションズ
アジア・オセアニア賞 「ハイブリッドキックモータによる小型宇宙機の可動性の向上」 【プレゼン動画】
Letara
スポンサー賞
NTTドコモ賞
「ChipSpace」 【プレゼン動画】
ChipSpace
スカパーJSAT賞
「Energy Orbit」 【プレゼン動画】
Entropy Research & Development
ソニーグループ賞
「EcoSpace : IOT Satellite the Wildfire Early Warning Detection Systems」 【プレゼン動画】
EcoSpace
第一生命賞
「海洋資源探査を効率化するための海洋観測システムの開発」 【プレゼン動画】
MizLinx
Honda R&D賞
「海洋資源探査を効率化するための海洋観測システムの開発」 【プレゼン動画】
MizLinx
JAXA賞 「物体を更新可能にする編み物方式3Dプリンタ「ソリッド編み機」」 【プレゼン動画】
Solidknit

柴崎 亮介特別審査員長代理 全体講評

柴崎 亮介特別審査員長代理 全体講評

S-Boosterが始まった頃は、既存の宇宙インフラ、あるいは衛星群、そこから得られる衛星データを使ったものがアイデアとしては多かったと記憶しています。しかし、そういったソリューション的なデータを使ってソフトウェアで解析するという非常に良い提案もありましたが、それに加えて、これからまさに超小型衛星を支えるテクノロジーを作っていくんだという意欲的な提案が増えたように感じます。エッジの効いた技術というのは、それだけではあまり役には立ちません。エコシステムをつくりあげ、超小型衛星コンステレーションが効果的に効率的に運用されることが重要なのだと思います。そういう意味では、まだ途上ではありますが産業のエコシステムをもっと広げていく必要があると実感しました。データやソフトウェアツール解析に関しても、昔に比べると圧倒的に完成度が高くなっています。逆に言えば、そのクラウドや、あるいは宇宙を使った通信インフラを使って、いかに横にスケールアップして行くかと言うところが、大きなポイントになります。これらを後押しするために、本日の審査員やシニアメンバーが支援し続けることが大切です。

今回印象に残ったのは、会社の若いエンジニアの皆さんもいらっしゃいましたし、学生だけのチームもいらっしゃいました。あれだけの高い完成度とインパクトのあるアイデアを発表していただいたわけですが、マーケットの中で会社として成長して行くためには、良い技術と熱意があると言うだけではなく、ストーリーとして仕立て、マーケットの中に持ち込み、どこからアプローチするのか。また、ストーリーをどのように語って、投資を引っ張ってくるかという事がとても重要だと思います。

アイデアと投資家のマッチングの機会は非常に重要であると思います。S-Boosterはアイデアの泉です。ここに出てきたアイデアをいかに広げて育てるか、組織的な取り組みもS-Boosterの枠の中で検討していかなくてはなりません。そのためにも、今後も体制を強化して行く必要があるのではないかと感じました。今日は本当にどうもお付き合いいただいてありがとうございました。

最優秀賞

EcoSpace : IOT Satellite the Wildfire Early Warning Detection Systems

最優秀賞
最優秀賞

チーム名:EcoSpace 代表者名:Ms. Kanchanit Thumrongboonkate
リードメンター:青木 英剛(宇宙エバンジェリスト)
サブメンター:坂田 道志(有限責任監査法人トーマツ)

提案概要 EcoSpaceは森林などインターネットが繋がらない場所において、IOT人工衛星通信を活用した山火事早期警報発見システムを提供する。地上のセンサーとIOT人工衛星を組み合わせることで、山火事の初期段階での監視を可能にする。EcoSpaceのプロトタイプは2020年10月から2021年3月にかけて、東京大学のIOT人工衛星を使ったテストに成功した。
講評 一言で申し上げると、とても美ししい物語を作り始めていただいたなと感じました。山火事は、これから様々な場所で起こる問題であり、被害に遭われる方、あるいは動物にとっても極めて理不尽な災害です。それをチームメンバーが頑張ってセンサーを作り、汗をかいて森林の中に設置し、そのデータが衛星経由で伝わってきて、警報、あるいは避難の誘導に使われることは素晴らしいアイデアでした。
インドシナ半島は焼き畑がとても多く、山火事そのものが多い地域ですが、森林火災以外にも、例えばインドネシアでは泥炭火災があります。他にもシベリア、アメリカ、ブラジルの泥炭火災は本当に多いわけですが、そういった世界的な問題に対して宇宙のアセットを使ったきれいなストーリーが出来たと思います。これからもっと拡大して欲しいという期待を込めて授賞させていただきました。
受賞者コメント まず初めに、アジア・オセアニアの国々にこの素晴らしいプロジェクトへの参加機会をくださった内閣府とS-Boosterチームにお礼を申し上げます。また、アイデアの初期段階からプロトタイプ開発可能な状態になるまで、本プロジェクトのブラッシュアップにご尽力くださったメンターの皆様にもお礼を申し上げます。東京大学、及びタイのGISTDAのご支援にも感謝いたします。
S-Boosterに参加するのは今回で2回目です。本プロジェクトは2019年のファイナリストとして参加した日に生まれました。東京大学でのワークショップに参加した時、私はIoT衛星という言葉を初めて耳にしました。そして、森林火災問題解決のためにその技術プロジェクトに参加することは可能ですかと尋ねたのです。その日から今日に至り、私たちはこのマイルストーンを達成しました。ありがとうございました。

審査員特別賞

審査員特別賞

スタートラッカを用いた宇宙状況監視による衛星衝突回避SaaS

チーム名:スターシグナル・ソリューションズ 代表者名:岩城 陽大
リードメンター:上原 高志(SOMPOホールディングス株式会社)
サブメンター:永瀬 史章(D4V合同会社)
専門メンター:山崎 臨在(弁護士法人 内田・鮫島法律事務所)

提案概要 宇宙空間の状況が不明確であることから宇宙の交通事故防止に過大な負担を被る国や民間事業者向け人工衛星運用ソフトウェアアズアサービス。衛星搭載のスタートラッカを宇宙環境観測に活用し、高精度・広範囲な宇宙状況監視を極めて低コストで実現する。この観測データを用いた適切で正確なナビゲーション情報の提供によって、不定期・非効率なリスク対応活動である衛星の衝突回避運用を合理化し、顧客衛星と宇宙環境を保護する。
講評 本当におめでとうございます。宇宙状況監視は世界的にとても大切で、これから増えていく人工衛星を支える欠かせない技術に、正面から向き合ってくださいました。そして通常であればスタートラッカの中でノイズになってしまうところを、逆に注目をして軌道計算に割り当てたという逆転の発想、そして何よりユーザー視点に立って、より安価な価格で、警報だけではなくて、ソリューションを提供してくださるということが、もう本当に素晴らしく、審査員の中でも、高い評価になりました。宇宙がより安全で皆さんにとって使いやすい場所になるということは、人工衛星や宇宙ステーション等、宇宙のアセットの発展につながると思います。それがきっと地上にも還元されていくと思います。皆さんの熱意で、ぜひ宇宙と地球をより良い場にしていってください。

アジア・オセアニア賞

アジア・オセアニア賞

ハイブリッドキックモータによる小型宇宙機の可動性の向上

チーム名:Letara 代表者名:KAMPS Landon
リードメンター:一ノ瀬 喜一郎(ウエルインベストメント株式会社)
専門メンター:毛阪 大佑(森・濱田松本法律事務所)

提案概要 小型衛星は一般的にライドシェアにより宇宙へ打ち上げられるが、安全で高速な推進系がないため、ライドシェア軌道から移動できず、軌道上を無秩序に周回する。私たちは小型衛星に軌道変換の自由を与える安全で高速な推進系を提供する。これからの宇宙輸送では、主要な宇宙輸送ハブ(地球、月、火星等)間の宇宙輸送網の構築が予想される。宇宙ハブ間のラストマイル輸送用推進系として、私たちの推進系は益々重要になる。
講評 貴殿及び貴チームにお祝いの一票を投じることができ、大変光栄に思います。私は、「先導するか、従うか、そうでなければ邪魔をするな(Lead, follow, or please step out of the way)」を信奉しているのですが、貴チームは、宇宙船地球号の持続可能な未来を実現するために尽力している最も優秀で先見性のある先導者です。パスファインダー、発明家、共同実施者と呼べる先導者だと思います。皆さんの国際的なチームには、グローバルに活躍できる機会が多くあります。そして、私たちは皆、貴チーム支援のために、私たちができることを喜んでするつもりです。貴チームは、今後数十年の間に人類が複数の惑星を活動領域とする種になるための旅において、私たちを前進させる存在になるでしょう。人々にインスピレーションを与え、力を与え、宇宙船地球号のため、そして私たちが惑星間種になるために可能な限り最善の結果を得るために、私たちはできるだけ、単一星チーム対複数星チームとして協力し合う必要があります。私は、プラスチックの再利用、そしてラストマイル輸送のコンセプトがとても気に入りました。ご成功をお祈りします。

スポンサー賞

NTTドコモ賞

NTTドコモ賞
ChipSpace

チーム名:ChipSpace 代表者名:Ms. Maria Victoria Alonsoperez
リードメンター:尾﨑 典明(一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ)
サブメンター:井出 啓介(東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC))

提案概要 ChipSpaceはチップセイファーの地上センサーから得たデータと、購入したアクセルスペースの衛星画像を関連付けるプラットフォーム。土地や水といった畜産農家が持つリソースをさらに有効活用することで収穫を増やすことを助け、また同時に環境再生型農業への貢献も果たす。具体的には、このチップセイファーと人工衛星から得た統合的データにより、牧草の質低下の早期検知、農場レベルでの管理体制の改善、そしてより良い牧草管理のためローテーションする放牧地のタイムリーな選定といった点において、農家をサポートする。後々このデータは、放牧地を決定することや、農場が二酸化炭素などを排出あるいは隔離しているのかを評価することにも追加的に利用可能だ。
講評 弊社では既に次の世代の移動通信システムを開発し、サービスエリアを空から海から果ては宇宙まで飛躍的に広げる方向で考えています。その中でも宇宙は非常に重要なテーマであり、今回このS-Boosterに参加しました。飛躍的にエリアを広げて何に使うか考えたとき、一次産業のようなケースで今までエリアを充分作れていなかったところをしっかりエリアを作り、センシングする。大量のデータをどんどん取り込んで活用し、多様なサービスを提供する。このような方向に使いたいと思いました。ChipSpaceさんのアイデアは、まさに合致するモデルでした。今後も頑張っていただきたいと思いますし、できましたら弊社がそこに加わることができれば非常に幸いです。
スカパーJSAT賞

スカパーJSAT賞
Energy Orbit

チーム名:Entropy Research & Development 代表者名:Mr. Shubham Gosavi
リードメンター:濱地 健史(株式会社Spiral)
サブメンター:松田 一敬(合同会社 SARR)

提案概要 発電と電源管理は人工衛星の業界では大きな役割を果たす。地球低軌道において毎年増え続ける人工衛星は、継続的な電力への需要を劇的に高めるであろう。現在、人工衛星は発電について、ソーラーパネルと放射性同位体熱電気転換器(RTG)および蓄電装置を使用する従来型の手法を採用している。そのようなシステムは重量や費用を増やし、貴重なスペースを奪う。このような問題はEnergy Orbit(E-orbit)を導入することで15~25%軽減できる。これは1600 Energy Satellite(E-Sat)を用いて、地球低軌道を周回する顧客の人工衛星にレーザー送電するというコンセプトだ。E-Satはまた、エネルギー伝達や軌道移行、そして地球低軌道を周回する人工衛星を軌道離脱させるなど、複数のサービスを提供する予定だ。つまり、E-Orbitのサービスを利用することで顧客は多くの資金を節約できる上、宇宙の持続可能性を持った新しい経済的価値を創出できるであろう。
講評 弊社はS-Booster初回からスポンサー企業として参加しています。
今回の授賞理由としまして、宇宙でのエネルギー供給は非常に重要な問題であるという事です。通常であれば大きなプラットフォームを作って、太陽光パネルを多く集めてそこから転送するこという発想をしがちですが、数多くのEnergy Orbitを用意して、低軌道衛星から提供するという斬新なアイデアでした。また、通信、観測データ、物理的な動きも含めて、衛星間のコネクティビティが様々な面で進んでいます。レーザーを使って、電力供給するという話ではありますが、軌道の修正、あるいはデブリ除去といった話もありましたように、事業面でも用途としても非常に広がりをもってくるであろうという可能性を感じ授賞させていただきました。
ソニーグループ賞

ソニーグループ賞
EcoSpace : IOT Satellite the Wildfire Early Warning Detection Systems

チーム名:EcoSpace 代表者名:Ms. Kanchanit Thumrongboonkate
リードメンター:青木 英剛(宇宙エバンジェリスト)
サブメンター:坂田 道志(有限責任監査法人トーマツ)

提案概要 EcoSpaceは森林などインターネットが繋がらない場所において、IOT人工衛星通信を活用した山火事早期警報発見システムを提供する。地上のセンサーとIOT人工衛星を組み合わせることで、山火事の初期段階での監視を可能にする。EcoSpaceのプロトタイプは2020年10月から2021年3月にかけて、東京大学のIOT人工衛星を使ったテストに成功した。
講評 今回弊社は初めてS-Boosterに参加しましたが、非常に楽しい場であり感謝します。授賞理由としては、先日弊社から「地球みまもりプラットフォーム」というものをプレスリリースさせていただきましたが、EcoSpaceさんのアイデアはその内容に合致したものでした。地球社会と人間社会は共存していかなくてはなりませんが、これを実現するためのアイデアだと感じましたので授賞とさせていただきました。
第一生命賞

第一生命賞
海洋資源探査を効率化するための海洋観測システムの開発

チーム名:MizLinx 代表者名:野城 菜帆
リードメンター:根本 藍(国立研究開発法人海洋研究開発機構)
サブメンター:柳原 暁(VENTURE CAFE TOKYO)
専門メンター:大段 徹次(森・濱田松本法律事務所)

提案概要 海洋資源探査を効率化する海洋観測システムを開発する。海洋資源は大きく魚介類等の水産資源と、レアメタル等の海底資源に分けられるが、まず水産資源の課題解決をはかるシステムを開発し、漁業/養殖業の効率的な操業を可能にすることで持続可能な水産業を実現する。将来的には海底資源探査や、船舶の自動運航等、あらゆる海事産業で役立てられるような、海洋データプラットフォームサービスを作ることが目標である。
講評 第一生命保険株式会社は、生命保険事業を営んでいますが、一方で、お客様からお預かりした保険料を運用するという機関投資家の側面もあります。機関投資家としてベンチャー企業や、ベンチャーファンドに投資しており、そういう投資家の目線から拝見し、今回の提案は非常にクリアなエクイティ・ストーリーであると思いました。魚群探知機を使ったアナログな漁業から宇宙とデジタルを使ってトランスフォーメーションして行くストーリーが面白かったなと思います。この提案は一気にスケーリングして行く大きな提案であると感じ、授与いたしました。
Honda R&D賞

Honda R&D賞
海洋資源探査を効率化するための海洋観測システムの開発

チーム名:MizLinx 代表者名:野城 菜帆
リードメンター:根本 藍(国立研究開発法人海洋研究開発機構)
サブメンター:柳原 暁(VENTURE CAFE TOKYO)
専門メンター:大段 徹次(森・濱田松本法律事務所)

提案概要 海洋資源探査を効率化する海洋観測システムを開発する。海洋資源は大きく魚介類等の水産資源と、レアメタル等の海底資源に分けられるが、まず水産資源の課題解決をはかるシステムを開発し、漁業/養殖業の効率的な操業を可能にすることで持続可能な水産業を実現する。将来的には海底資源探査や、船舶の自動運航等、あらゆる海事産業で役立てられるような、海洋データプラットフォームサービスを作ることが目標である。
講評 弊社は船の速いエンジンを開発して漁師を支えてきましたが、今回の提案を聞いて、もう速いエンジンだけでは漁師を支えきれない。MizLinxさんのような技術が本当に必要であると感じHonda R&D賞を授与いたしました。
JAXA賞

JAXA賞
物体を更新可能にする編み物方式3Dプリンタ「ソリッド編み機」

チーム名:Solidknit 代表者名: 廣瀬 悠一
リードメンター:吉田 憲司(PwCビジネスアシュアランス合同会社)
サブメンター:小笠 原治(株式会社ABBALab)
専門メンター:大段 徹次(森・濱田松本法律事務所)

提案概要 編み物を用いた3Dプリンタ「ソリッド編み機」を開発し、宇宙現地での物品の製造・リサイクルを可能にする。ソリッド編みとは、編み物で中身の詰まったかたいものをつくることができるSolidknit独自の技術である。編み物を用いることで、椅子をほどいて机に編み直すといった「物体のアップデート」が可能になる。宇宙空間への物品運搬は莫大なコストがかかるため、この高リサイクル性は大きなメリットとなる。
講評 これから研究を重ねていく段階と伺いましたが、本当に新しいアイデアというか、聞いたことのない技術だというのが正直な感想です。今後、国際宇宙探査、月面での活動を想像した場合に、提案された3Dプリンタ編み機でベッドとして作ったものを机や椅子、更には靴や服に変えるというのは今までに聞いたことのない発想でした。その将来への可能性と探査活動の親和性を感じJAXA賞に選ばせていただきました。

最終選抜会レポート

宇宙を活⽤したビジネスアイデアコンテストS-Booster2021開催結果報告(PRTIMES)

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